2026年8月25日
Cloudflare Web Analyticsは自分のアクセスを除外できない。237%増の中身は自分だった
Cloudflareの管理画面に、こう出ていた。
Visits 27 ↑ 237.5%
Page views 37 ↑ 184.62%
公開して6週間、検索からの流入がほぼゼロのブログだ。そこに27訪問、前日比237%。
前日にnoteへ記事を出したところだったので、一瞬「効いた」と思った。
思っただけで済んだのは、数字を見る前に「昨日の自分は何をしていたか」を思い出したからだ。前日の私は、このサイトのデザインを全面的に作り直していた。
そこで「自分のアクセスを除外する設定」を探した。結論から書く。
Cloudflare Web Analyticsに、自分のアクセスを除外する設定はない
管理画面をひととおり探しても見つからなかったので、公式ドキュメントで裏を取った。
Web Analyticsで絞り込める項目(ディメンション)は、公式ドキュメントによると次の10個だけだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国 | 訪問者の国 |
| ホスト | サイトのURLのドメイン |
| パス | サイト内のページ |
| リファラー | 参照元の外部リンク |
| デバイス種別 | デスクトップ / モバイル / タブレット |
| ブラウザ | Chrome、Safariなど |
| OS | 訪問者のOS |
| サイト | 対象サイトのドメイン |
| ボット除外 | ボットのアクセスを除くかどうか |
| ナビゲーション種別 | 通常の遷移 / リロード / 戻る・進む など |
IPアドレスも、訪問者を識別する項目も、この中にない。
もうひとつ「ルール」という機能があるが、これは「どのサイトの、どのパスを計測するか」を決めるものだ。ホスト名とパス単位でしか指定できない。「この人のアクセスは数えない」はできない。
除外できるのはボットだけで、自分はボットではない。
除外できないのは、機能が足りないからじゃない
ここが分かると、探すのをやめられる。
Cloudflareは、Web Analyticsについて「個々のエンドユーザーを追跡しない」と明言している。プライバシー重視をうたっている製品で、実際に個人を識別する情報を持っていない。
個人を識別しないということは、データの中に「自分」という単位が存在しないということだ。 存在しないものは、除外のしようがない。
Googleアナリティクスで自分のアクセスを除外できるのは、GAがIPアドレスを見ているからだ。つまり除外機能があるかどうかは、そのツールがあなたの訪問者をどこまで見ているかの裏返しになっている。 個人を見ないツールを選んだ以上、自分だけを抜くこともできない。これはバグでも設定漏れでもなく、選択の結果だ。
だから対処は「設定を探す」ではなく、「数えられない開き方をする」か「数字の読み方を変える」の二択になる。
同じ24時間に、私はサイトを作り直していた
デザインを全面的に刷新していた。配色を変え、見出しの装飾をやめ、ロゴを作り直し、モバイル表示を確認し、ダークモードを確認し、キャッシュが効いているかを確認した。
その全部で、サイトを開いている。 文字サイズを1回変えるたびに開き直している。

「読者が何回で、自分が何回か」——この内訳は取れない。 取れない以上、この数字は成果として読めない。
note経由は、多くても4人だった
もうひとつ、別の数字がある。
前日に出したnoteの記事は、翌日の時点で4ビューだった。つまりnoteからこのブログに来られる人数は、どう多く見積もっても4人だ。
27訪問のうち4がnote経由だったとしても、残りは説明がつかない。ボットや偶然の訪問もありうるので「全部が自分」とまでは言えないが、自分の操作がかなりの割合を占めているのは、ほぼ間違いない。
数字が増えたことより、増えた理由を自分で作っていたことのほうが問題だった。
なぜ自分のアクセスが数えられてしまうのか
アクセス解析は、ページに埋め込んだ小さなプログラムが「今このページが開かれました」と報告することで数えている。この報告係をビーコンと呼ぶ。
ビーコンはJavaScriptで動くので、ブラウザでページを開いたときだけ働く。 逆に言えば、ブラウザを使わずにページの中身だけ取ってくれば、ビーコンは動かない。

curl は、ページの中身をそのまま取ってくるだけの道具だ。
curl -s https://example.com/ | head -20
見た目は分からないが、「直した内容がちゃんと反映されているか」の確認ならこれで足りる。そしてWeb Analyticsの数字には1件も乗らない(サーバー側の記録には残るが、それは別の話だ)。私が汚したのは、まさにこの確認の部分だった。
除外できないなら、触り方を変えるしかない
「自分のアクセスを除外する」で検索すると、出てくるのはほぼGoogleアナリティクスのIP除外設定の記事だ。自宅のIPアドレスを登録して、そこからのアクセスを数えないようにする。
ただ、仮にCloudflareで同じことができたとしても、この方法には穴がある。
- 自宅のIPアドレスは変わることがある(多くの回線は固定ではない)
- スマホの回線は別。外出先で開いたら数えられる
設定で頑張るより、触り方を変えるほうが確実だった。私はこの3つで足りている。
- 見た目を見る必要がない確認は、ブラウザを開かない。 私は
curlを使う - 触った日をメモしておく。 「8月24日はデザインを直した日」と分かっていれば、その日の数字は最初から見ない
- 数字は「触っていない7日間」で切って見る
2番は設定も道具も要らない。カレンダーに1行書くだけで、今回の誤読は防げていた。
公開直後のブログでは、自分が最大の読者になる
読者が1日に数人しかいない時期は、運営者本人のアクセスが全体の大半を占める。1日30回開けば、それだけでページビューが30増える。しかもデザインを直している時期ほど、開く回数は増える。
つまりアクセス解析がいちばんアテにならないのは、いちばん数字を見たい時期ということになる。
だから当面、この順で見ることにした。
| 見るもの | 理由 |
|---|---|
| Search Consoleの検索クリック数 | Google検索の結果からクリックされた回数だけを数える。サイトを直接開く確認作業では増えない |
| noteやZennの表示回数 | 各プラットフォーム側で数えている |
| アクセス解析 | 触っていない期間だけ参考にする |
Search Consoleも完璧ではない。自分で検索して自分の記事をクリックすれば、その分は混ざる。ただ**「直したページを確認するために開く」という一番回数の多い行為では増えない**ので、今の時期はこちらのほうが信用できる。
結局、やったのは1つだけ
数字が跳ねたときに、まず「自分は昨日何をしていたか」を思い出す。
技術の話に見えるが、実際にやったのはそれだけだ。ツールの設定でも除外フィルタでもない。喜ぶ前に、自分の行動を疑った。
副業を一人でやっていると、数字を検算してくれる人がいない。都合のいい読み方をしても、誰も止めてくれない。 今回は止まったが、次も止まる保証はないので書いておく。
このブログの検索まわりで実際に起きたことは、サイトマップが1ヶ月半読まれなかった話に書いている。